
プロバイダの情報開示請求とは?
ネット上における名誉権、プライバシー権等の権利侵害は年々増えています。個人とインターネット世界が密接になった現代のスマートフォン時代には、名誉やプライバシーの侵害の傾向は更に増加するといわれています。
しかしネット上で権利侵害を受けた人(権利者)は、誰か分からない侵害者(発信者)に対して、民事・刑事的な請求を行うことはできません。
もし、民事・刑事的な請求措置をとるのであれば、プロバイダに『プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求』を通して、発信者を特定する必要があります。
これが、『プロバイダの情報開示請求』というものになります。
情報開示請求はどのように行われる?
まず掲示板などで、被害を受けた際の情報開示請求の例を探しましょう。掲示板等のサイト運営者に対して通信履歴となるログの調査を依頼し、発信者のIPアドレスや、発信時間(タイムスタンプ)等の開示を受けます。それを元に、発信者とプロバイダ契約を締結している経由プロバイダに対して発信者の情報(住所・氏名・メールアドレス)の開示を受けるという流れになります。
これにより、下記のような情報が特定できれば、開示請求がスムーズに行われたことになります。
- @発信者その他侵害情報の送信に係る者の氏名又は名称及び住所
- A発信者の電子メールアドレス
- B侵害情報に係るIPアドレス及びタイムスタンプ
ただし、このような情報開示請求は、経由プロバイダ側が『同種の問い合わせが多く対応が遅くなる』や、『調査した時にログが残っていなければ分からないということもある』、『ログの調査ができたとしても、発信者に確認し、発信者が開示を拒否すれば任意の開示はできない』などと、曖昧な返答を返してくる場合があります。
このようにプロバイダ側から曖昧な返答をされてしまった際には、情報開示請求の件に強い弁護士などへ事前相談をして臨むのが良いでしょう。